未来へのモノ-ガタリ(23): 生きる - 野中
2025/05/19 (Mon) 15:00:42
ユウ(U)は時々不安になります。
ケイ(K)はこのままで生きられるわけはない、
どうしてもそんな気がしてきてならないのです。
それでユウは、ケイに話しかけました。
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U「ねえ・・・・・・十年後、あたしたちどうしてると思う?」
K「うーん。そんなに先の事、考えてないな。まあ確実なことは・・・」
「確実なことは?」
「もし二人とも生きていたら、僕は君の事を好きでいるということだな」
「じゃあ、あたしが生きていればさ、あなたも生き続けているっていうこと?」
「もちろんだよ」
「そのときあたしに、別に好きな人ができていたとしても?」
「うーん。あんまり考えたくないけどその時も君をすきなままだね」
「そういうあなたが邪魔だったとしたら?」
「大丈夫さ。僕はひっそりと君を見守りながらどこかで生き続ける」
「どうして?」
「きみを好きだっていうことが僕の生きる意味だからさ」
「・・・・・・」
「でもそんな僕が、生きていることが不快だとしたら・・・」
「・・・・・・いいの。もうそれ以上は言わないで。ごめんなさい」
「何を謝ってるの?」
「ごめんなさい。あなたを試すつもりはなかったの」
「ええっ」
「あたしも、あなたのこと大好きなの」
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ユウは泣きながらケイに抱き付いてキスをしました。