未来へのモノ-ガタリ(30): 丘の下 - 野中
2025/06/30 (Mon) 12:50:26
ユウ(U)とケイ(K)はディズニーシーの
プロメテウス火山のすぐ下に来ました。
そこで火山を眺めながら
話をしています。
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K「こうやって山を見上げてるとね、分かったことがあるんだ。
U「えっ、なあに」
「山は下から見ないと、見えないんだ」
「ふふっ、あたりまえじゃない」
「それでね、ネットスラングについて考えてたんだ」
「なにそれ」
「『おかのした』ってコトバだよ」
「ああ、あれね。なんかAVの男優さんが活舌が悪くって」
「そうそう、『わかりました』って言うのがどうしても『おかのした』
にしか聞こえないってやつね」
「そうそう。それってつまり元々人の欠点を突いてるコトバだから、僕は絶対
使わないことにしてたんだ」
「なるほどね」
「でもね、こうしてプロメテウス火山を見てると、そうでもないなって
思うようになったんだ」
「ええ?」
「だってさ、山がどんなものかって知るためには山に登ったらダメだよね」
「うん、まあ」
「山を知るためには、山の下にいて、その姿を眺めないと」
「なるほど」
「もちろん、しっかり知るためには、登ったりしないとダメだけど」
「そうよね」
「つまりね『おかのした』ってそういう意味があるんじゃないかって」
「どういう」
「つまりさ、相手は丘の上にいるのさ。それで、自分は丘の下にいる」
「ふーん」
「そしてね、相手が訊いてくるのさ『この丘はどんなやつだ』って」
「なるほど」
「つまりね、『丘の下』っていうのは『全体の状況を把握して、相手の意見を
了解する』っいう意味に取れるんだ」
「ふふっ、ちょっとおもしろいね、だったらこれからは使うの?」
「うん。丘の下」
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二人は、そのままプロメテウス火山のトンネルに入って
ミステリアス・アイランドに行き、海底2万マイル
に乗って、海底の冒険を楽しみました。