物語とナラティヴ

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ディズニーの物語は良いな(2):クリスマス・キャロル - 野中

2025/12/24 (Wed) 23:35:48

メリー・クリスマス
クリスマスというと、僕は必ず、チャールズ・ディケンズの
「クリスマス・キャロル」を思い出します。
ディズニーもこの話が大好きみたいで何度も映像化しています。

ウィキペディア(Wikipedia)からの引用です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スクルージ&マーレイ商会を営んでいた初老の男、スクルージは冷酷で無慈悲な人間で、彼を知る者の多くはエゴイストのスクルージを忌み嫌い、仕事仲間であったマーレイの葬儀の際にも布施を出し渋るばかりか、亡骸の瞼に置かれた冥銭を持ち去るほど金に取り憑かれた男であった。

葬儀から7年後のクリスマスイブの夜、亡霊となったマーレイが彼の館を訪ねてきた。マーレイは生前に会計事務所に篭って人生を無駄にした自分の愚かさを嘆き、犯した罪の分だけ重く長くなった鎖に囚われた自らの姿を指して、このままでは「お前も同じ運命を辿る」と忠告をしにきたのだ。そして「お前のもとに3人の精霊が現れる」と言い残して去っていく。

程なくして最初の精霊がスクルージの前に姿を現した。彼はスクルージの過去のクリスマスの精霊だと自らを名乗った。過去のクリスマスの精霊はスクルージを昔、学校に通っていた頃の場所に連れて行き、その頃の時代へタイムスリップした。

その後、現在のクリスマスの精霊が館の部屋へ現れる。クリスマスイブの日、彼の書記であるボブ・クラチットの家の様子をスクルージに見せる。その際、タイニー・ティム(ボブ・クラチットの一番下の男の子)の将来について、もう長くは生きられないと聖霊から聞く事になり、彼が生き続けることを聖霊に強く願うが、聖霊は彼の過去の言葉を使い、皮肉する。その後、時計台の鐘の中へ移動した現在のクリスマスの精霊はその鐘の音と共に白骨化し粉になり消え去る。

それとともに、未来のクリスマスの精霊が現れる。未来のクリスマスの精霊は影の様な挙動をし黒い姿であった。スクルージを墓場へ連れて行き、その墓を指しながらその墓がスクルージの墓であることを見せた。そのまま、日付を指すとその日付はちょうど明日のクリスマスの日を指していた。それを見たスクルージは精霊にからの生活を変えるからやめてくれと懇願する。

現実世界に戻されたスクルージは生きていることに大いに感謝し、彼の態度は以前より楽しく、優しい性格になる。それと同時に皆の彼に対する気持ちも変化してゆくこととなる。そして、タイニー・ティムはスクルージの肩の上に乗り、二人で幸せに包まれる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まあ、ぜひ小説のまま読まれることをお勧めします。
ディケンズは英語圏だけでなく、世界的に影響を与えた大作家で
「デイビィッド・コパフィールド」や「二都物語」が著名ですが、
僕の予想では、この「クリスマス・キャロル」が最も末代まで読まれる
作品だと思います。
人間の底知れない「善さ」が、ひたひたと伝わって来る物語だからです。

ディズニーの物語は良いな(1):シンドバッド - 野中

2025/12/17 (Wed) 17:44:37

ディズニー・シーで僕が必ず行くアトラクションは、
「シンドバッド・ストーリーブック」です。
何が良いかって・・・それは物語自体の「良さ」を実感させて
くれるからです。

小さなトラのチャングーもすごく可愛いです。
全編に流れる「心のコンパス」の歌もとてもいいです。

シンドバッドは航海にでます。
もちろん建前は『宝物を捜しに行く』ことです。
その行った先でさまざまな人やモノに出会い、
さまざまな経験をします。

そして巨万の富を得ます。
そこで彼はどうしたでしょう。
そう、彼は
また航海にでるのです。

ここで、
「人生は冒険だ」という、繰り返し流れていた歌が
意味を持ってきます。
「心のコンパスに従って航海する」とは
「心のコンパスに従って日々を過ごす」ことと
同じ意味なんです。

「えっ、じゃあ『心のコンパスって何?』と誰しも思うでしょう。
でもそれには答えてくれません。
このアトラクションは、大きな疑問をゲストに突きつけたまま
唐突に終わります。幸福に多くの人々に迎えられながら。

そう、ゲストたちの航海はこれから続くのです。
少し長い通路を通って、茶色い階段を降り、
ディズニーシーの空間に戻ってからも。

未来へのモノ-ガタリ((46):未来へ - 野中

2025/11/30 (Sun) 12:56:12

ケイ(K)はユウ(U)に、
真剣な面持ちで
未来を語った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「ユウさん」
U「はい」
「僕はつまらんヤツです」
「……」
「僕はディズニー・パークが好きだ」
「わたしも」
「僕はずっと、ディズニーのモノ-ガタリについて考えて来た」
「うん」
「ディズニーのモノ-ガタリがなぜみんなを幸福にするか考えて来た」
「うん」
「だから何度も何度も君とディズニーに行った」
「うん、数えきれないぐらいね」
「僕は、この世で一番幸福なんだ」
「……」
「だって世界で一番好きな人と、世界で一番幸福な場所にいるんだ」
「……」
「僕は不完全でつまらないヤツだ」
「……」
「それでも君となら、世界で一番幸福になれるんだ」
「……」
「だからユウさん」
「……」
「僕と結婚してください」
「はい。もちろんよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
ユウのその返事を聞いて、
ケイはユウに近づきました。
二人は一瞬表情を硬くし、
それから泣き始めました。
そのあと、ゆっくりと笑い合って
抱き合ってキスしました。
=== === === === === ===

「未来へのモノ-ガタリ」は、これで終りです。

未来へのモノ-ガタリ(45):ソクラテスの物語 - 野中

2025/11/24 (Mon) 11:59:31

ケイ(K)はずっと黙って考えていました。
しばらくしてユウ(U)に、ソクラテスについて
そして彼を殺したひとびとについて
語りはじめたのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「ソクラテスって知ってるかな」
U「ええと、古代ギリシャの人よね。ちょっと待って、今調べる」
「ああ。でも、速くしてくれよ」
「まあ、慌てないで。ええとね……、誕生は紀元前470年、
2500年ぐらい前の人か。死んだのは紀元前399年。
71歳まで生きたのね」
「そうそう、でも病死じゃなかったんだ」
「ええと、<ソクラテスは、『国家の神々を認めず、青少年を惑わせた』
という理由で訴えられ、裁判にかけられ、死刑の評定を受けた>って
書いてあるわ」
「そうだよ。そのソクラテスを告発した人々は、『死刑』が不当なもの
だって分かっていたし、実際、外国への逃亡が黙認されていたんだ。
告発者たちはソクラテスの死を望んだんじゃなく、ソクラテスが
コソコソとアテナイから出て行ってくれることを望んだんだ」
「そうね。それにソクラテスの周りの人々も彼の命を助けたかった
みたいなの。こう書いてある。<ソクラテスの友人たちは亡命の準備を整
え、最後まで渋るソクラテスを説得した>、ですって」
「でもねソクラテスは『悪法もまた法である』と言って、ケベスとシミ
アスという二人の友人と魂の死について論じたあと、毒杯を飲みこんで
死を迎えたんだ。毒ニンジンの汁をね」
「うわっ、どうしてかな」
「その死をもって、ソクラテス自身が、自分の正義、そしてそれまで
語って来た国家、法、勇気、魂、道徳などの議論の正しさを証明した
かったんだと思う」
「うわっ何だか壮絶ね」
「……」
「でも不思議だわ、なんで逃げられるのに逃げなかったのかしら」
「……まあ、それはなんとなく分かるんだ。僕だって逃げないよ」
「えっ、……そうなのかな」
「少し考えてみたんだ。死刑の評決を受けた時のソクラテスの心境について」
「って、どういう……」
「すごく寂しかったと思うよ、だってさ命がけで毎日のように町に出て
若い連中と話し合って来たんだよ、それがさ、評決で死を決定さ
れちゃったんだよ」
「なっ、なるほどね」
「僕はね、ソクラテスの死について考えるのなら、少なくとも二つの
モノ-ガタリについて、考えておかないといけないと思うんだ」
「何それ、二つって?」
「ソクラテスのモノ-ガタリと、民衆のモノ-ガタリの二つさ」
「ふうん」
「ソクラテスのモノ-ガタリは、割と単純だ。ソクラテスは、
当時の人々がいろんな偏見を持って生きてると感じていて、
それを正して、少しでも良い社会にしていきたいと願って
いたんだと思う」
「まあ、そうよね。そんな風だったと思うわ」
「誤解されているのは、もう一つのモノ-ガタリなんだ。つまり
ソクラテスと同時に生きていた民衆のモノ-ガタリさ」
「えっ、誤解されてるの」
「うん。誤解されてる。だってさ、彼らはただの民衆じゃない」
「どういうことよ」
「彼らは、ソクラテスに幾分かでも感化された民衆なんだ。
ソクラテスが命がけで語り掛けて来て、多少は変化した民衆なんだ」
「なるほどね」
「だからソクラテスの死について考えるなら、その当時の民衆の
モノ-ガタリについてもしっかり考えないといけないんだ」
「……どんなふうに?」
「民衆の気持ちだよ。彼らがどんなふうに生き、そして死んでいこうと
思っていたかっていう」
「うっ、ソクラテスはそこまで考えて死を選んだのね」
「そうだろうね。そこで死を選ぶことが正しいと考えることが、
ソクラテスを歴史に残る人にしたんだ」
「まあ、多分だけど、そこで死ななかったら、さすがに2500年後の
今まで歴史に残ってなかったわよね」
「そう、ソクラテスは民主主義っていうものの正当性と、そしてその
危うさについて、自らの行動と死によって示したんだ」
「それじゃあ、その当時の民衆はびっくりしたんじゃないかな、
まさかほんとに死んじゃうなんて」
「うんそうだね。でもソクラテスを憎んでいたことも確かだよね」
「えっ、そうなの」
「だってそりゃそうだよ。町中で小太りの男に、『君たちはほんとは
間違ってる、君たちは何にも知らない』なんて言われたら、
そこそこの知識と、そこそこの満足を持って日々を生きてる人は
『はあ、そうなんですね』と返しつつ、ソクラテスが言ってる、
正しいモノ-ガタリに反発を感じるに決まってるよ」
「うーん……そういうものなのかも」
「つまりね、民衆はソクラテスの言ってることの正しさをある程度
わかりつつ、自分達のモノ-ガタリとの違いも感じていたと思うんだ」
「なるほどね」
「これがもし、全く受け入れられていないと感じたとしたら、ソクラテス
はきっと、それこそ訴えられたとたんに逃げ出したと思う」
「なっ、なるほど。じゃあ、ソクラテスはアテナイの人たちを愛してたのね」
「そう、そうなんだ。ソクラテスの死はだから、アテナイの民主制の
モノ-ガタリを愛してる人たちへの、愛のメッセージでもあるのさ」
「じゃあつまり」
「そう、後世の人たちは、『民衆の愚かさがソクラテスを殺した』なんて
見当違いの非難をするけど、そうじゃないんだ」
「なるほどね」
「ソクラテスの弟子のプラトンなんかは、尊敬する師のソクラテスを
殺されたって思って、民主制を嫌い、観念論的な君主論に走る
わけだけど、根本的に間違っていたと思うよ。ソクラテスはアテナイ
の人たちが好きで、その愛のメッセージを示すために所選んだんだ」
「つまり……、古代の民主制は誤解されてるってわけ?」
「うん。僕はそう思う。ソクラテスはアテナイの人々への愛に殉じたんだ」
「ふーん」
「ところでさ、伝わってるかな」
「えっ、何が?」
「僕も君を愛してる。それを示すためならいつ死んでもいいよ」
「……うん、わたしもあなたが好き」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
ユウはそういうとケイに近づき、
満面の笑みを作り
キスしました。

未来へのモノ-ガタリ(44): 白雪姫の物語 - 野中

2025/11/10 (Mon) 08:40:29

ケイ(K)はずっと黙って考えていました。
しばらくしてユウ(U)に、
物語の「次元」について
語りはじめました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「少しだけ分かったことがあるんだ」
U「何を?」
「僕たちは僕たちがどんな世界に居るのかを正確にしることはできない」
「まあ、そうね」
「僕たちは世界をみている」
「うん」
「でもその見方が正しいわけじゃない」
「それで?」
「でも、どれがより正しさに近いか、それは分かるんだ」
「なにそれ」
「ええと……じゃあ、話を『次元』に絞ろうか」
「うん、いいわよ」
「僕たちは三次元世界を『見ている』」
「まあそうね」
「じゃあ僕たちの心はどこにある?」
「うわっ。難しいのね」
「つまりね、僕たちはふつう三次元的に世界を捉える」
「まあ、そうよね」
「だから心を見失うんだ」
「うーん。そうかも」
「つまりね、心をみうしなわないためにも、三次元的に世界を
見続けていてはいけないんだと思うんだ」
「ええっ、でもそれ以外の見方ってできるの」
「できるさ。『物語』的に世界を眺めればいいのさ」
「うーん、何となくしかわからない」
「そうだな……じゃあ具体的な物語を思い浮かべてみればいい」
「なら『白雪姫』かな」
「うん。……白雪姫は城から出てる」
「そうね。女王になった魔女に追い出されるの」
「で、時間とともに成長する」
「うん。小人さんたちに助けられてね」
「そうそう、でも女王に見つかって、リンゴを食べさせられ死んでしまう」
「でも王子様のキスで復活するの」
「まあ、だいたいそういう物語だな」
「うん、でもそれと『三次元』とどんな関係があるの?」
「分からないかな。白雪姫の物語を一枚の絵で表現できる?」
「あっそうね。絵本にしないと無理」
「つまりさ、物語って基本的に三次元的な状況に、時間の経過を
加えたものなんだよ。だから物語にすると心が見えて来る」
「なるほどね、まあ少しはわかるかな」
「もちろん『物語』的に世界を見直すことが、ほんとに正しい
のか、僕にもわからない。でも三次元的に見るより、少しは
深く『心』を捉えられているんだとそう思うんだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
ケイはそういうとユウに近づき、キスしました。
それから、ちょっと照れて言ったのです。
「ははっ、復活のキスだよ」

未来へのモノ-ガタリ(43):三ヘホの法則 - 野中

2025/10/26 (Sun) 16:57:46

ケイ(K)に相変わらず活気がないので
ユウ(U)は少しでも元気になって
貰いたいと思い、
笑いながら話しかけました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
U「ねえ、三ヘホの法則って知ってる?」
K「なんだそれ、三平方の定理ってこと?」
「ううん、ピタゴラスさんは関係ないの」
「なんだそれ」
「笑わないでね」
「ああ」
「おまじないよ」
「どんな?」
「『ヘホ』『ヘホ』『ヘホ』って三回言うの」
「なんだそれ」
「まあ、いいじゃない。とにかく言ってみて、一回ずつ区切って」
「ヘホ・・・ヘホ・・・ヘホ、これでいいか」
「うん、ちょっと元気出たでしょ?」
「そうかな、うん、そうかも知れない」
「それが三ヘホの法則よ」
「はははっ、なんかばかばかしくて、面白い」
「そう。それでいいの」
「うん。これって案外使えるおまじないかも」
「うん、それはよかった」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
ユウはそういうとケイに近づき、そのまま
キスしました。

=== === === === === ===

モノ-ガタリと人間の関わりについては、ブログの「存在とナラティヴ」
を参照してください。少し長いですが。
また、これからの時代の「平和」について、「平和な世界に向けて」
という文も載せました。ご参照下さい。
(ブログ冒頭から下にスクロールして、「存在とナラティヴ」や「平和な
世界に向けて」の題字をクリックしてください。ブログは下記から。)
https://walker1952.wixsite.com/website
なお、エリアXの記事も含めて、ご感想などは、エリアXの返
信欄に書き込んでいただけると嬉しいです。

未来へのモノ-ガタリ(42):ランドの朝 - 野中

2025/10/14 (Tue) 04:32:32

ケイ(K)とユウ(U)は今日もディズニーランドに
やって来ました。開場30分前です。
ケイは少し神妙な面持ちでユウに話しかけます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「ディズニーランドってすごいな」
U「ええっ? そんなの当たり前じゃない?」
「ここに来て、みんなが幸福な感じになるんだ」
「そうね」
「僕はさ、ずっとそのことを考えてたんだ」
「何を言いたいの?」
「このディズニーランドがなぜゲストを幸福にするのかって」
「へえっ、それで分かったの?」
「うーん、完全には分からない。でも僕なりにこういうことかなって」
「それで、どういうこと?」
「このディズニーランドには、物語がたくさんある」
「そうね。たしかに」
「その物語がゲストを幸福にするんだ」
「まあ、物語は大事だもんね」
「ゲストたちは物語に会いに来るんだ」
「なるほど」
「ディズニーランドは物語で満たされてる」
「まあそうね」
「だからディズニーランドに居るだけでゲストは安心できるんだ」
「ほんと・・・・・・来るたびにほっとするもんね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
そのあたりまで話した時、開場の時間になったようでした。
人の波が動きはじめ、列の先頭がゲートに順に消えて行きます。
ケイとユウも手を繋いでゲートに向かって歩きはじめました。
=== === === === === ===

モノ-ガタリと人間の関わりについては、ブログの「存在とナラティヴ」
を参照してください。少し長いですが。
また、これからの時代の「平和」について、「平和な世界に向けて」
という文も載せました。ご参照下さい。
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世界に向けて」の題字をクリックしてください。ブログは下記から。)
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未来へのモノ-ガタリ(41):新生代人 - 野中

2025/10/10 (Fri) 04:06:58

ケイ(K)がユウ(U)に笑いながら
話しかけます。
その表情は明るく、
確信に満ちています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「わかったことがあるんだ」
U「なに?」
「今の時代に生きている人たちは、最初の新生代人なんだ」
「うん?、何それ」
「最初の新生代人の世代なんだ」
「何を言いたいの?」
「最後の世代の近代人じゃないってことさ」
「もう新しい時代に入ってるってことなの?」
「そうだよ。僕も君も新生代人なんだよ」
「ふうん」
「新生代人は近代人とは全然違う」
「どこが違うの」
「新生代人は、生命やヒトを『モノ』としては扱わない」
「なるほど、ほかには?」
「新生代人は、ものの価値をお金で測らない」
「じゃあ、何で測るの?」
「そこに込められた『心』の美しささ」
「まあ、分かるけど、それじゃあすごく不安定ね」
「どういうことかな」
「だって、美しさなんて、個人的なものでしょ、一般化できないじゃない」
「うーん、なるほど……そこから先はなかなか大変だな」
「えっ、どういうこと。そこから先はまだ考えてないってこと?」
「いや・・・・・・じゃあいつかこの話の先はするよ」
「ふうん」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
ユウは少し不満そうでしたが、ケイの右手をぎゅっと握り
そのままケイに抱き付きました。
そしてケイの顔を見ながらゆっくり微笑みました。

未来へのモノ-ガタリ(40):タートル・トーク - 野中

2025/09/30 (Tue) 00:39:25

ある日の午後でした。
ケイ(K)とユウ(U)は、タートル・トークに並んでいました。
ファインディング・ニモに出て来る、大きなウミガメ、クラッシュと
いろいろお話をするアトラクションです。
その待ち時間にケイはユウに話しかけました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「ねえ、ユウ」
U「なあに」
「何だか不思議だね」
「えっ、何が?」
「ここでこうして、並んで待っていることがさ」
「ふーん」
「だってさ、僕たちは何を待っているんだろう」
「それはね、クラッシュが語る物語なのよ」
「じゃあ、この人たちは物語を待っているのかな」
「まあ、そういうことね」
「どんな物語を?」
「ここはね、自分の物語を見付ける場所なの」
「どういう意味?」
「クラッシュは、その人の物語に沿って話すの」
「まあそうだね」
「でね、そのやりとりを聞いてる人たちは、その人の物語について
聞きながら、自然に自分自身の物語について想うわけ」
「あっなるほど。じゃあほんとの主軸は・・・」
「うん、このアトラクションの主軸は、来てるゲストさんたち
一人一人の物語なのよ」
「そうか、そうなんだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
そうこうしているうちに、急に列が進み始めて、ユウとケイは
大きな水槽のある部屋に入って行きました。
「おおっきみたち、最高だぜ!」
ウミガメのクラッシュが、水槽の中からよく透る声で
話しかけて来ました。

=== === === === === ===


モノ-ガタリと人間の関わりについては、ブログの「存在とナラティヴ」
を参照してください。少し長いですが。
また、これからの時代の「平和」について、「平和な世界に向けて」
という文も載せました。ご参照下さい。
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未来へのモノ-ガタリ(38):闇の中から - 野中

2025/09/09 (Tue) 17:40:17

ケイ(K)とユウ(U)が、夜のアメリカン・ウォーターフロントを
手を繋いで歩いています。
ゲストの人たちは一斉にアクアスフィアをぬけて
出口に向かって歩いています。
ケイはユウに話しかけます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「僕には何も見えてないんだ」
U「なに?」
「僕は三次元にはいない。だけどそれ以外のことは分からない」
「うん」
「だけどね」
「うん」
「ひとつだけ見えてるものがあるんだ」
「なに?」
「きみへと続く、一本の青い光さ」
「ふうん」
「その光が僕を生かしてる」
「うんうん」
「この暗闇から、その青い光をたどって、出て行くんだ」
「ふふっ、そうなるといいね」
「うん・・・なんだか元気になったぞ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
ユウは改めてケイの右手をぎゅっと握り直しました。
それに応えてケイはユウの左手を握り返しました。
二人は手をつないだまま、ゆっくりと
ディズニーシーの出口を出て行きました。
キャストさんに『ありがとうございました』の挨拶を残して。

未来へのモノ-ガタリ(37):ケープコッド再び - 野中

2025/09/04 (Thu) 20:41:06

ケイ(K)とユウ(U)が、夕方のケープコッドを
手を繋いで歩いています。
どうやら二人には、周りの雑踏や音楽も
耳に入ってこない様子です。
ケイがユウに話しかけます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「ねえ、ここで最初に会った時を憶えてるだろ」
U「うん」
「あのときさ、毎日が結構辛かったんだ」
「どんなふうに?」
「僕はね、世界について何も知らないことを知ったんだよ」
「なにそれ」
「僕たちは日常を、三次元空間の中で生きてるって勘違いしてる」
「うん。この間、そんなこと言ってたね」
「つまりね、世界って三次元でできてるって思いこんでる」
「まあ、それって自然よね」
「でもね、勘違いなんだ。僕たちには三次元データしか識別する力がない」
「うん、そうよね」
「それと世界が実際に三次元ということとは全く違う」
「たしかにそうよね」
「そう。そして世界が三次元だと勘違いすることで、悲しい事や、
残酷なことがたくさん起こる」
「なるほどね」
「でもさ、それ以上のことは何も分からないんだ」
「まあ、そりゃあそうだわ」
「でも僕は知りたかった。で、考え続けてた」
「うわっ、それって見えないものを見えないからって苦しむ、
なんだか永遠の徒労みたいな感じね」
「そう、僕は苦しんで、そして疲れ切ってたんだ」
「なるほど」

「君と出会ったのはそんなときだった」
「うん、あのときケイさん、とってもクタビレてる感じだったよね」
「それで赤ワイン色の服を着た君を見付けた」
「ふふっ」
「そのとき僕ははっとしたんだ」
「わたしはケイさんをじっと見たわ」
「僕に電流みたいなものが走った」
「うんうん」
「僕って、この人を好きな存在なんだって」
「ふふっ」
「僕はしあわせになった」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
ユウはケイの右手をぎゅっと握り直しました。
それに応えてケイはユウの左手を握り返しました。
二人は手をつないだまま、ゆっくりと
ケープコッドの夕暮れの中を歩いて行きました。

未来へのモノ-ガタリ(36):アクアスフィアと宇宙 - 野中

2025/08/14 (Thu) 07:45:14

ケイ(K)とユウ(U)が、夜のアクアスフィア・プラザに
並んで、水の地球を眺めています。
聞こえてくるのは、富田勲さんが作曲した、
静かな音楽です。
ケイはユウの左側に立っています。
ケイはいつになく静かに話しかけます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「ねえ、何だかこうしてるとさ、僕たち宇宙に居るみたいだね」
U「うん。あそこに地球があってさ、その外にいるみたい」」
「この音楽もさ、宇宙的な静けさっていう雰囲気だね」
「そうね。すごく不思議な空間」
「ねえ、この宇宙ってさ、何次元なのかな」
「なにそれ」
「だってさ、僕たちはふつう、前後と左右と上下で空間を捉えてる」
「まっ、まあそうね」
「空間は三次元だ。そしてその中で時間が『もどらないもの』として、
刻々と動いてる」
「ということは?」
「僕たちは日常を、三次元プラス時間、という次元で生きてるっていうことさ」
「まあ、そうね」
「つまりね、僕たちは日常を三次元として感じて生きてる」
「あっそんなことないよ」
「どうしてだ」
「あたしが一番気にしてるのは、ケイさんの気持ちだもん。
その気持ちがどこにあるのか、いつだって気にしてる。でも
それって三次元のどこにあるわけでもないよ」
「うんうん、そうなんだ」
「あたしは三次元の世界で生きてないよ」
「そうそう、だから世界を三次元的に捉えるのはまちがってるのさ」
「間違ってる?」
「だってさ、三次元的に考えれば、僕が君をこんなにも大切だって
思ってることを説明しようがないだろ。僕たちはもっとずっと高い
次元に住んでるんだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
ユウはケイの右手を握りました。
ケイはユウの左手を握りました。
二人は手をつないだまま、じっとアクアスフィアの
青い光を見詰めつづけてていました。

未来へのモノ-ガタリ(35):ねじ式 - 野中

2025/08/04 (Mon) 15:46:22

ケイ(K)が熱心にマンガを読んでいました。
ユウ(U)が覗き込むと、ケイはそのマンガを
ユウに渡して、「すごく難しいマンガだよ」と笑ったのです。
ユウがきょとんとしていると、ケイは
そのマンガについて話しはじめました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「これさ、『ねじ式』っていう題の有名なマンガなんだよ」
U「ふうん。つげ義春っていう人が描いたのね」
「マンガの古典的な名作なんだ。」
「ふうん、昔のマンガなの。どのくらい前の?」
「えーと、確か50年くらい前のはずだよ」
「ええっ、この本、そんなに古っぽくないわ」
「そりゃあそうだよ。名作だから何度も出版されてる」
「ふうん。そうなんだ、あれっこのメメクラゲって何?」
「あっそれね。作者のつげ義春さんは、××クラゲって書いたらしいよ」
「じゃあなんで?」
「編集の人が間違えて、××をメメだと思ったのさ」
「じゃあ直さないと」
「いや、メメクラゲのほうが却って面白いんじゃないかってことになったらしい。確かに××よりメメのほうがいい感じがするな」
「まあ、ともかく読んでみるね・・・・・・」
「そうだね。・・・・・・」
「・・・・・・この男の人、カワイイね・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・どっかケイ君っぽいとこあるし・・・・・・」
「・・・・・・」
「うわっ、・・・・・・わからないわ。何だか難しかった」
「そうなんだ。難しいんだ」
「一番わからないのはね、この題名」
「そうだね、不思議な題だよね」
「クラゲに腕の血管を壊されて、それを『ねじ式』のチューブでつなぐのよね」
「うん、そうなんだ」
「そのあと、男の人はすごく元気に快活になるのよね」
「そうそう、なんか不自然なぐらいに」
「・・・・・・あっそうか・・・・・・」
「何かな、何か分かったの?」
「これさ、きっと人間が機械によって変わるっていうことなのよ」
「ええっ?」
「きっと作者の人は、変わりたくなかったのよ」
「ふうん」
「でもね、生き続けるためには『ねじ式』を受け入れるしかなかったの」
「それで・・・・・・」
「でも変わりたくないと思うと同時に、変わる快感もあったみたいね。
「なるほど、その葛藤のキーが『ねじ式』なのか」
「そうみたいね。どっちにしろ、すごく面白いマンガね」
「そうだね。偉大な作品だね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
そのあとも二人はいろいろなマンガについて、
楽しく話を続けました。

未来へのモノ-ガタリ(34):クラスメイト - 野中

2025/07/29 (Tue) 05:27:30

ユウ(U)とケイ(K)がニューヨークデりで
サンドイッチを食べているときでした。
一人の男の人がやってきて、
「ごめんなさい、ひょっとしてユウさんですよね」
と、声を掛けて来ました。
ユウは一瞬目を瞬かせていましたが、すぐに
「あっ中学の時に一緒のクラスだったマコト君ね」
と応えていました。その男の人は頷きながら小さく笑って、
「うん、憶えていてくれたんだ。ミッチの恋人さ」
そういうなりその男の人はユウの傍によって、耳元で
何かを囁いて、そしてそのまま店を出て行きました。
ケイはユウに尋ねました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「えっ、行っちゃったね。誰だったの」
U「マコト君って言ってね、中学のときのクラスメイト」
「なんかちょっと暗っぽかったような・・・・・・一人で来てるの?」
「あの人、あたしの友達のミッチと仲良かったの」
「恋人って言ってたよね」
「うん。高校2年までね」
「えっ、別れたの?」
「すごく仲良かった。ディズニーもしょっちゅう一緒に来てた」
「高校生か。なんだかうらやましいな」
「ミッチはね、高校2年のとき死んだの」
「ええっ・・・・・・」
「ミッチってね、ほんといい子だったの。目立つのが嫌いで」うん
「・・・・・・」
「思いやりがあってね。マコト君も地味だけどいい子だったわ」
「うん、誠実そうな人に見えた」
「ミッチは満員のホームで押し出されたおばあさんをかばおうとして」
「・・・・・・」
「自分がホームに落ちて轢かれちゃったの」
「・・・・・・」
「あたしお葬式の時、思ったの。どうしてミッチみたいないい子が
死んじゃうのかって。あたしみたいなクダラナイ女が生き残って
るんだろうと」
「いやいや、クダラナイっことは全然ないよ」
「ふふっ、あなたに会ってあたしはちゃんとできたのよ」
「でさ、一つ聞きたいんだけどいい?」
「なあに」
「あの男の人、きみに最後になんて言ったの?」
「・・・・・・」
「あっ言いたくないならいいよ」
「こう言ったの。『今日も二人で来てるんだ』って」
「そうか、二人でね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
ニューヨークデりで昼食を済ませた二人は、
タートル・トークの列に並びました。
ユウは、もしクラッシュに当ててもらえたら、
「5年以上、1人の人を想い続けられることって素敵だと思いませんか」
と尋ねるつもりでした。

未来へのモノ-ガタリ(33):トムソーヤ島 - 野中

2025/07/28 (Mon) 05:24:13

ユウ(U)とケイ(K)はディズニーランドの
トムソーヤ島に渡って、
ぼんやりと並んで歩いていました。
その日はとても暑くて、他には殆どゲストはいません
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「ねえちょっと面倒な事、話してもいいかな」
U「えっ何?・・・・・・別にいいけど」
「僕たちは何次元の世界に生きてるのかなあ」
「ええっ?・・・・・・うーん、それってさ・・・・・・」
「ごめんね、わけわからんこと言い始めてさ」
「まっ、まあいいけど」
「ふつうさ、僕たちの世界は三次元だよね」
「うん。左右、前後、上下、つまり立体だよね」
「その三次元のカタチが時間の流れで変化していく」
「うん。そうね」
「でもほんとにそうかな。何かおかしいと思わないか」
「それって、あたしたちが見逃してるものがあるってこと?」
「うん。いつか僕たちは見えているものを信じ過ぎてるって・・・・・・」
「そうだね。ふつうに見えてるものを大事にしすぎてるね」
「そう。だから見えていないものを感じる時、仕方ないので言葉にしちゃう」
「あっ、だからケイさんは、しょっちゅうあたしのこと大好きって・・・」
「そうなんだ。思わずコトバにしちゃう」
「いいのよ、あたし、そのことはコトバじゃなく感じてるから」
「そう。ぼくもそれを感じてはいるし、感謝してる」
「ふふっ」
「でも・・・・・・時にはもっと感覚を研ぎすませて、三次元の上を感じないと」
「うっ?・・・・・・どういうこと」
「ぼくたちは実際、何次元の世界に居るのか、わからないってことだよ」
「ふうん。当たり前だけど面白いね」
「そうなんだ。面白いし、とても自由な気分になれる」
「うん。でもさ。今日ってホントに暑いよね」
「そうだね、暑いね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
二人は汗だくになりながらトム・ソーヤ島を
散歩した後、いかだに乗って島を離れ、
ホーンテッドマンションで、ゆっくり涼みました。

未来へのモノ-ガタリ(32):調味料 - 野中

2025/07/18 (Fri) 05:31:33

ユウ(U)とケイ(K)はディズニーランドの
ピザプラネットの隅で、一緒にピザをつまんでいます。
たくさんのゲストさんたちがいて、席はほぼ満席ですが
冷房がよく効いているせいか、思いのほか静かです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「いつも思うんだけど、ここのピザって、食べるとほんとにおいしいね」
U「そうなのよ。このチーズの匂いって、なんていうかな、ディズニー
の匂いって感じがするわね」
「そうそう、そしてさ、この生地もサクサク固くってさ」
「でもさ、おいしすぎるっていうのも結構ヤバいよね。コーラと一緒に
食べたら、いくらでもたべられちゃう」
「ははっそうだね。明らかにカロリー・オーバーだよね」
「ねえ、あたしが太ったらどうする?」
「ええっ、うーん・・・・・・なんにもかわらないよ、多分」
「ケイは痩せてる子の方がすきじゃなかった?」
「いや・・・多分だけど、君が太ったら太った子の方が好きになるだろうな」
「えっ、それどういうこと?」
「僕はさ、とにかくきみが好きなんだ。痩せてようが太っていようが」
「ふっふっふ」
「何だよ、気味悪いな」
「でも大丈夫、あたしたちビンボーだから、そんなに太れないよ」
「はははったしかに。でも食べるのは好きだよね」
「そう、ふたりともね。結構食い意地が張ってる」
「焼いたネギとか、好きだよね」
「そうそう、あつっ、ていいながら、つるんと口の中に入れるのいいよね」
「うん、甘みと苦みが最高ね」
「食べることって大事だよね」
「そうそう、・・・・・・うーん二人で食べればだいたいおいしいね」
「うん。でもこの間食べたラーメンダメだったね」
「あの、新しくできたラーメン屋だね」
「ケイがあとで言った通り、あれって『悪い昭和の味』だったよね」
「うん。グルタミン酸たっぷりでさ、まずくはないけどちょっと不愉快」
「いまどきあんな店あるのね」
「ちょっとびっくりだね。まあそのうちあの店も流行らなくなるよ」
「うん。でもまあ今は、ピザに専念しようか」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
二人は楽しくピザプラネットで食事したあと、そのまま
スターウォーズの列に並びました。

未来へのモノ-ガタリ(31): カントリーベア - 野中

2025/07/08 (Tue) 22:16:04

ユウ(U)とケイ(K)はディズニーランドの
カントリーベア・レストランで仲良くチキン・カレーを
食べています。
食べながら話をしはじめました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「ほんとにおいしいね」
U「うん。すっごくおいしい」
「どうしてかな」
「・・・ええっ、それはディズニー・マジックだからよ」
「何を食べてもおいしいって?」
「それは違うわ。おいしいってそういうことじゃないよ」
「よくわからないな」
「おいしいって、実際のおいしさだけじゃないの」
「なんだそれ?」
「信頼もあるのよ。前に食べておいしかったっていう」
「なるほどね」
「そりゃあさ、ブルーバイオの料理の方が、このカレーよりおいしいわよ」
「まあね。でも値段も5倍する」
「だけどあたしは、このチキン・カレーの方が好き」
「うん。僕もだよ」
「カントリーベアのクマさんたちがすぐそばにいるみたいでしょ」
「うん」
「このゆったり風が吹いてるレストランで、ぼおっとチキン・カレーを
食べてる方が、ディズニーの魔法の近くにいる気がするの」
「なるほど」
「おいしさって、値段とは関係ないわ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
二人は、カレーを食べた後、カントリーベアシアターに行って、
クマさんたちの陽気な音楽を心行くまで楽しみました。

未来へのモノ-ガタリ(30): 丘の下 - 野中

2025/06/30 (Mon) 12:50:26

ユウ(U)とケイ(K)はディズニーシーの
プロメテウス火山のすぐ下に来ました。
そこで火山を眺めながら
話をしています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「こうやって山を見上げてるとね、分かったことがあるんだ。
U「えっ、なあに」
「山は下から見ないと、見えないんだ」
「ふふっ、あたりまえじゃない」
「それでね、ネットスラングについて考えてたんだ」
「なにそれ」
「『おかのした』ってコトバだよ」
「ああ、あれね。なんかAVの男優さんが活舌が悪くって」
「そうそう、『わかりました』って言うのがどうしても『おかのした』
にしか聞こえないってやつね」
「そうそう。それってつまり元々人の欠点を突いてるコトバだから、僕は絶対
使わないことにしてたんだ」
「なるほどね」
「でもね、こうしてプロメテウス火山を見てると、そうでもないなって
思うようになったんだ」
「ええ?」
「だってさ、山がどんなものかって知るためには山に登ったらダメだよね」
「うん、まあ」
「山を知るためには、山の下にいて、その姿を眺めないと」
「なるほど」
「もちろん、しっかり知るためには、登ったりしないとダメだけど」
「そうよね」
「つまりね『おかのした』ってそういう意味があるんじゃないかって」
「どういう」
「つまりさ、相手は丘の上にいるのさ。それで、自分は丘の下にいる」
「ふーん」
「そしてね、相手が訊いてくるのさ『この丘はどんなやつだ』って」
「なるほど」
「つまりね、『丘の下』っていうのは『全体の状況を把握して、相手の意見を
了解する』っいう意味に取れるんだ」
「ふふっ、ちょっとおもしろいね、だったらこれからは使うの?」
「うん。丘の下」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
二人は、そのままプロメテウス火山のトンネルに入って
ミステリアス・アイランドに行き、海底2万マイル
に乗って、海底の冒険を楽しみました。

未来へのモノ-ガタリ(29): ケープコッドの出会い - 野中

2025/06/21 (Sat) 11:23:25

ユウ(U)とケイ(K)はディズニーシーの
ケープコッドに来ています。
そこは一年前、二人が出会った所でした。
灯台のすぐ下で、思い出しています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「僕たちが出会ってから一年だね」
U「うん」
「あっという間だったね」
「あたしね、この一年、ずっとドキドキしてた」
「僕もだよ」
「あたし、宇宙で一番、しあわせものだよ」
「いや、それは違うよ」
「ええ?」
「宇宙で一番、しあわせなのは僕のほうさ」
「それって、あたしに会えたから?」
「うん、そうだよ」
「じゃあ、あたしたち、宇宙で一番、幸福なカップルね」
「うん、僕たちは出会えたからね」
「あの日、あたし、初めて一人でディズニーに来たのよ」
「僕もだよ。初めてだった」
「あたし、インディに乗って、いい気分でアメフロに歩いてた」
「うん」
「そして右の先に灯台が見えた」
「うん」
「あたしそれでちょっと立ち止まって灯台を眺めたの」
「うん」
「そのときあたし、何だかとっても懐かしい気分になった」
「うん」
「なぜだかそのとき、あたしはその灯台のある風景を一生忘れないと思ったの」
「その時僕もちょうどケープコッドに来て灯台を眺めてた」
「そう、あなたも止まってた」
「うん」
「あたしは灯台から眼を離して前を向いて歩きはじめようと思ったの」
「うん」
「その前の方の遠い場所に、あなたがいたの」
「うん」
「そしてあたしを見ていたわ」
「きみはワイン色のワンピースを着ていたね」
「ええ。あなたは青いシャツを着てた」
「うん」
「あたしはあなたがあたしを見てることに気付いた」
「うん。僕もそうだった」
「そのときにあたしは、一瞬で悟ったの。出会えたんだって」
「まだまだ遠かったよね」
「そう、遠かったけど、あなたから光がでていたんで分かったの」
「うん」
「あたしはあなたを見詰めながら少しずつ近づいて行ったの」
「僕も君を見詰めながら少しずつ近づいた」
「ゆっくり見つめながら近づいたんだけど、そこは光の路みたいだったわ」
「光の路?」
「そう、あなたに通じる光の路」
「うん」
「それで、すごく緊張しながら、やっとあなたのすぐ前に来たの」
「うん」
「あたしが手を差し出したら、あなたはちょっと震えながら、その手を取ってくれたわ」
「そうだった」
「あなたが『灯台の方に行かない?』って言ったので、あたしはうなづいたわ」
「うん」
「あたしね、そのときふとセンター・オブ・ジ・アースを想ったの」
「ふうん」
「すごくこわいけど、すごいうれしい感じ、どんどん上に上に向かって行く感じ」
「うん」
「気がついたらあたしたち、抱き合ったまま泣いてたよね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
二人は、一年前と同じように灯台まで行って、
その裏に回ってしっかり抱き合い、キスしました。

未来へのモノ-ガタリ(28): アクアスフィア - 野中

2025/06/12 (Thu) 20:56:47

ユウ(U)とケイ(K)はディズニーシーの
アクアスフィアのある広場にいました。
地球が表面に水をたたえて、
ゆっくりと回転しています。
ケイは、ユウに語り掛けます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
K「僕たちはいま宇宙に居るのかな」
U「ちがうよ」
「えっじゃあどこに居るの?」
「この地球儀は、あたしたちがいる場所なんだ」
「って、いう事は?」
「あたしたちが住んでるここは、こんなにも美しいの」
「ふうん、・・・・・・いや、よく分からないよ」
「あたしたちは、地球にしか居られない生命体ってこと」
「まあ確かに、僕たちはふつうのままでは火星人になれないからね」
「そう、だね確かに人間は、ほぼ一気圧、酸素20バーセント
窒素80パーセントの大気の下でないと生き続けられない」
「そうよ、生身で地球表面以外の所には居られない」
「生きて裸眼で宇宙をみるなんて不可能だな」
「つまり、あたしたちが『宇宙は美しい』なんて考えるのは・・・・・・」
「そう、宇宙はそれ自体が地獄なのさ」
「なんかちょっと息がつまるね。地獄に取り囲まれてるなんて」
「違うよ。それだけ地球が美しいってことなのさ」
「・・・・・・」
「ディズニー映画のさ、ウォーリーって見たことある?」
「うん」
「ロボットのウォーリーの友達、憶えてる?」
「ええ。ゴキブリさんよ」
「僕たちの回りって、生命で満たされてる」
「そうね」
「その生命の一つ一つが、本当にすべて貴重なんだ」
「うん、あの映画でゴキブリさんの可愛さったらなかったわ」
「まあ、うちの台所に居たら、追い出すけどね」
「ふふっ、そうね」
「あっ、気を付けなくちゃ」
「なあに」
「ゴキブリ亭主にならないようにしなくちゃ」
「いいよ、あたし。ケイさんならゴキブリ亭主でも」
「いや、そんな・・・・・・僕自身がイヤだよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
二人は、ちょっと大声で笑い合いました。
そしてアクアスフィアを背景にして、二人顔を近づけて
記念写真を撮りました。


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